求人の29%が見習労働

カテゴリー:若年者雇用

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  • 国別労働トピック:2005年12月

研修期間(stage)は、いくら働いても給料が支給されず、現代の「奴隷」制度といわれる。最初の就職口を得ようと、研修から研修へと渡り歩く若年研修生もいる。企業にとっての旨みは、無給の研修生を使うことによって、正規従業員の削減や休職の穴を埋め、利益を得るという点にある。こうした研修制度の利用は、イタリア同様、外国でも増え続けている。フランスでは、不満を抱える若年研修生の運動がブログから全国に広がり、ストライキを組織するまでになっている。

イタリアでは、4年前に実施された改革による規制にもかかわらず、大学に入るだけでは研修に参加できないことが多い。専門学校や大学における研修情報は不足しており、学生らは、多くの場合、自分の力で何とかしなければならないのである。実際、研修制度を実施している企業を探し、その後、当該企業と大学とのコネクションを作り出しているのはたいてい学生の方である。

他方で、研修制度は、卒業後に職を見つけるための最も効果的な方法ともなっている。このことは、就職募集サイトのMonster.itとともに、管理職人材協会であるGidpが実施した新卒者に関する最近の調査で明らかになっている。106の大中企業および1010の新卒者が回答した同調査によると、100の求人のうち29が研修生および見習労働者を募集するものであったのに対し、有期労働契約の募集は19であったとされている。また、期間の定めのない労働契約は2004年に比べて5%減少したのに対し(100の求人中15)、プロジェクト労働(いわゆる準従属労働)は12%増加した。パオロ・チッテーリオGidp理事長は、「我々の調査によると、研修生の35%が正規の職に移行しており、状況は悪くない。研修生の搾取は、研修制度を導入した1997年のトレウ法が、支払うべき報酬について規定していなかったことによる。企業は、学生をどのように使うつもりか大学に明示する義務を負っているはずなのだが、実際は、大学がチェックを怠っているため、企業がこれを悪用している。」と説明している。

CGIL(イタリア労働総同盟)の訓練責任者であるジャンパオロ・ヴィーゴロは、「イタリアでは、研修制度が不正に利用されている。訓練の機会として考え出された研修制度が、休暇中の従業員の穴を埋めるために、しばしば有期契約の代わりとして用いられている。」と厳しく批判している。

参考

  • Corriere della Sera紙2005年10月7日付

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