南アジア大地震へのILOの対応

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2005年11月

2005年10月8日にパキスタン北部で発生し、5万7000人以上の死者を出したとされる南アジア大地震に関し、ILOのソマビア事務局長は10月11日に声明を発表。被災者に対し衷心より弔意を示すと共に、各国当局と協力し、地域の復旧、生活の再建、希望の回復に向け、被災家族と地域社会へ支援を行う用意があることを表明した。また、事務局長は、被害状況が拡大して人々の暮らしが破壊されている事態に言及し、ILOでは各国当局や国連諸機関の救済努力支援活動に加わり、ニーズ評価、基盤構造の復旧・再建、住宅供給、地域経済活動の再活性化、雇用・生計プログラムに参加しているとの実績を強調。また、人道支援・再建努力が進行するに従って、これらの事業が雇用集約的戦略に統合され、雇用創出及び生計再建に確実につながるよう努力するとの決意を示した。

国連のアナン事務総長は、地震当日の10月8日、国連がインド、アフガニスタンも含めた3カ国の被災地に対する救援、復興活動に乗り出すとの声明を発表。 続いて国連は11日、被災者支援のため、総額2億7200万ドルの緊急支援を要請した。日本政府は、同日、最大2000万ドルの無償支援を行うことを表明している。ILOも、国連からの要請に応え、被災地であるイスラマバードとムザファラバードを拠点に、初期の復興プロセスを支援するため、250万ドルの予算を確保し、次の3つの支援策を行うことを表明した。

  1. 緊急雇用紹介サービス

    被災者を対象に、求職者と求人情報をマッチングして、インフラ整備などの復興活動に人材を供給する。短期間の集中技能訓練活動とも連携を図り、労働安全衛生の情報等も提供する。

  2. 労働集約的緊急公共事業

    瓦礫除去、基本的インフラ(寸断された道路、排水路、水道等)の復旧・整備を行う。労働者には、日当あるいは食料を支給する。

  3. 復興のための緊急技能訓練

    初期の復興活動に必要とされる緊急技能訓練を行い、緊急援助から復興へのスムーズな移行を支援する。活動現場の作業組織、労働安全衛生、適正な報酬システムなどを含む。

出所

  • ILO駐日事務所

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