EU加盟を控え開発が進むルーマニア
国連開発計画(UNDP)が9月に発表した「人間開発報告書2005」では、世界117カ国を対象として貧困人口の割合、教育、男女均等、児童死亡率、伝染病の感染率などの様々な分野の指標から算出した「人間開発指数」を公表している。ほとんどの中東欧諸国(注1)が日本、アメリカをはじめとする多くの先進諸国と同じ「高」開発グループに属する中、EU加盟を2007年1月に控えたルーマニアは「中」開発グループに属している。しかし、2年前の2003年と2005年を比較すると、ルーマニアの順位の伸びは著しい。72位から64位へと8ランクの上昇は、他の中東欧諸国の中で最も大きい上昇ぶりである(表参照)。
項目別にみると、1人当たりGDPが2003年の5830米ドルから2005年には7277米ドルと大きく伸び、また初等・中等・高等教育への参加率が68%から72%に上昇した。そのほか、出生時の平均余命が70.5歳から71.3歳に上昇、読み書きができない成人の割合は98.2から97.3%に低下といった改善がみられる。
2007年のEU加盟を最優先課題とするルーマニアでは、経済改革が進んでいる。今後もこの国の開発が大きく進むことが期待される。
国名 | 2005年の順位 | 指数 | 2004年の順位 | 2003年の順位 |
---|---|---|---|---|
ノルウェー | 1 | 0.963 | 1 | 1 |
アメリカ | 10 | 0.944 | 8 | 7 |
日本 | 11 | 0.943 | 9 | 9 |
シンガポール | 25 | 0.907 | 25 | 28 |
スロベニア | 26 | 0.904 | 27 | 29 |
キプロス | 29 | 0.891 | 30 | 25 |
チェコ | 31 | 0.874 | 32 | 32 |
マルタ | 32 | 0.867 | 31 | 33 |
ハンガリー | 35 | 0.862 | 38 | 38 |
ポーランド | 36 | 0.858 | 37 | 35 |
エストニア | 38 | 0.853 | 36 | 41 |
リトアニア | 39 | 0.852 | 41 | 45 |
スロバキア | 42 | 0.849 | 42 | 39 |
ラトビア | 48 | 0.836 | 50 | 50 |
ブルガリア | 55 | 0.808 | 56 | 57 |
マレーシア | 61 | 0.796 | 59 | 58 |
ルーマニア | 64 | 0.792 | 69 | 72 |
資料:国連開発計画
注
- ここでは昨年5月にEUに加盟した10カ国及び2007年に加盟予定であるブルガリア、ルーマニアの2カ国とする。
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