テレワークに関する労使協定

カテゴリー:労使関係多様な働き方

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  • 国別労働トピック:2004年8月

6月9日に労使間で締結された協定により、在宅テレワーカーは、オフィスで働く労働者と同様の保護を受けることになった。同協定「テレワークに関する改革」に署名したのは、CGIL(イタリア労働総同盟)、CISL(イタリア労働者組合同盟)およびUIL(イタリア労働連合)の三大総連合と最大の使用者組織であるイタリア工業連盟(Confindustria)および他の19の使用者団体(Confcommercio、Confartigianato、ConfersercentiおよびConfapi等)である。同協定は、2002年7月16日にブリュッセルで署名されたテレワークに関する欧州枠組協定に準拠したものである。

この協定の採用した新しい制度は、使用者および労働者の自由意思という点、そして、職場で職務を遂行する者と同じ契約上の権利をもつという点の2点である。協定によると、テレワークは「使用者および労働者の自由な選択」でなければならないとされているので、両当事者による決定ということになる。また、協定では、契約の明確性の観点から、「労働条件に関して、テレワーカーは、職場で業務遂行する労働者で同等の地位にある者に関して定められた法律および当該労働者に適用される労働協約で保護された権利と、同一の権利を享受する」と明言している。さらに、イタリア工業連盟および三大総連合は、「仕事道具および責任に関する問題はすべて、法律および労働協約の定めに即して、テレワーク開始前に明らかにしなければならない」としている。この論理は、費用に関しても適用されるだろう。安全衛生に関しても、一般の労働者に関する規制と同じく、使用者が責任を有することになる。同じく、テレワーカーが負う労務も、一般の労働者の労務と「同等」でなければならない。

今回の協定の締結は、「新たな協調段階の起点」となる「方向転換」と捉えられている。アルベルト・ボンバッセイ・イタリア工業連盟新副総裁は、「これを契機に、あらゆる重要懸案事項に対処するはずみがつく」と述べている。労働組合側も好意的である。ニコレッタ・ロッキCGIL連合書記長は、「この合意は、労使関係の将来にとって画期的なものである」と述べており、また、パオロ・ピラーニUIL連合書記長およびジョルジョ・サンティーニCISL連合書記長も「今日新たな段階が始まった」としている。

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