違法な税の徴収は企業運営にとって未だ大きな問題
インドネシアにおいて企業運営をしていく上で、半ば公認された賄賂や違法な徴税行為が障害になって活発な経済活動が行えない状態は今も昔もさほど変わりがないようだ。
インドネシアの財界で指導的な役割を担うビジネスマンによるグループである「全国経済再生委員会(KPEN)」が運営している「地域独占ウォッチ(Regional Autonomy Watch, KPPOD)が作成し、1月12日月曜日に発表した調査報告書によると、企業が経営を行う上で不可避的なものとなっている法律上違法な支出は、総費用の約10パーセントに及ぶという。支払い先の内訳として、裁判所事務官(13.1%)、治安当局(11.5%)、地域組織(8.5%)などが挙げられている。
また、一部の団体や組織の独占によって、自由な経済活動が阻害されているという指摘ある。インドネシア商工会議所(Kadin)ジャカルタ支部の指摘によると、ジャカルタ国際コンテナ・ターミナルとコジャコンテナ社は、インドネシアにおけるコンテナ流通部門をほぼ独占しているため、料金が高く、しかもサービス水準が低いと批判している。Kadinのバンバン・プルワディ会長によれば、20フィート四方の荷物ごとにインドネシアでは93米ドルの費用がかかるが、マレーシアでは60米ドルに過ぎないという。
一方、日本の国際協力銀行(JBIC)が行い、1月下旬に発表された調査報告書によると、日本人がインドネシアで企業経営をしていく上で障害となっていることは、政治的社会的な諸条件が整っていないことや、地元での労働や雇用にまつわるトラブル、通貨や物価の不安定さを挙げた。この調査結果に対して、投資調整評議会(BKPM)のユスアン投資環境促進部副部長は、関連部門における法制化が進んでいないこと、そして官僚組織に複雑さが解消されていないことが企業にとって障害になっていると認識している見解を示した。その上で、ユスアン副部長は政府としてもインドネシア商工会議所(Kadin)と協議し、諸制度を投資家にとって好ましい方向へと改善することを検討していると語った。
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