公務部門における諸制度改革

カテゴリー:雇用・失業問題労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2004年2月

政府は失業率を7%以下に抑えながら、公務部門の労働者を20~30%削減する計画を立てている。しかし1997年に6.0%であった失業率が翌98年に6.86%、99年に7.4%に上昇した要因の1つに公務部門におけるリストラの影響があるといわれており、行政のみならず、教育、医療、研究の分野においても多数の労働者が公務員として勤務している現状において、自主採算性への移行は容易なことではない。

様々な取り組みの1つとして定年年齢の5年前の年齢(男子55歳、女子50歳)になった際に早期退職ができる制度が導入されている。これは年金の同額に加え在職時の一ヵ月分の給与が支給されるというもので、上司が能力不足等を理由に早期退職を促すことがないよう配慮されている。人材の有効に活用することも課題とされており、特に若い公務員に対しての適切な人事配置の実施や再研修プログラムの提供がなされている。

また、収入の少なさゆえに複数の職を持たざるをえない現状を少しでも改善しようと公務部門の賃金を引き上げる改革が行われている。これは2007年まで続けられる予定で、2003年の平均月額最低賃金は21万ドンから29万ドンに引き上げられ、2007年には34万ドンに引き上げられる見込みである。その際、財源をどこから得るかが最大の問題となっており、今後も引き上げを実施するには、7~8%の経済成長によって政府の歳入が20%引き上げられることが前提となっている。2003年は12兆1000億ドン(注1)、2004年には19.8兆ドン、2005年には28.8兆ドン、2006年には40.5兆ドン、2007年には53.3兆ドンの経費が必要という試算がされている。

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