マレーシアから不法移民の大量送還を前に大赦の提案
来年1月、マレーシアからインドネシア人不法移民の大量強制送還が行われる予定。これに先立ちマレーシア政府から、早期に自発的に帰国する不法移民に対する大赦が提案された。インドネシア政府はこれを歓迎するとともに、大量送還の実施に当たり両国が緊密に連携する必要があると強調した。
2年前に導入されたマレーシアの移民法では、不法移民に対しては罰金又は懲役ならびに鞭打ちという厳刑が課せられる。マレーシアには70万人ともいわれるインドネシア人の不法移民がいるが、その強制送還が来年1月に予定されている。
しかしジャカルタ・ポスト紙(10月22日付け)によれば、インドネシアを訪れていたマレーシアの総理大臣バダウィ氏が、ユドヨノ新大統領に対して不法移民に対する刑罰の免除を提案した。「イデゥル・フィトリ」(断食明けの祭日)に当たる11月15日より前に自発的に帰国する不法移民に対して、刑罰の免除を保証するという。
また11月6日付け同紙によれば、この出国期限は12月まで延長されることが合意された。
インドネシアはマレーシアの提案を歓迎し、これを両国の関係を一層強化するための端緒とみなしている。新労働・移住相のファフミ氏は、来年1月の大量送還を滞りなく行うために両国が緊密に連携する必要があるとして、大量送還に関する特別のプロジェクトチームをつくり、マレーシア政府やインドネシア大使館と協力して送還を円滑かつ人道的に行うと述べた。
マレーシア政府はインドネシアの港までの移民の移送費用と、海上移送手段を提供することを約束している。移送先の港としてあげられたのはブラーワン(北スマトラ)、タンジュン・ピナン(リアウ)タンジュン・ペラク(東ジャワ)、マカサル(南スラウェシ)、ヌヌカン(東カリマンタン)、エンティコン(西カリマンタン)。インドネシアの多くの島々に散らばる各港で、マレーシアからの移民を載せた船を迎えることになる。
到着した移民を故郷の近くの港まで送るために、数隻の軍艦も投入される予定だという。
2004年11月 インドネシアの記事一覧
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