労働市場回復に疑問が生じる

カテゴリー:雇用・失業問題統計

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  • 国別労働トピック:2004年11月

政府は2004年の持続的経済活動の復活を予想しているが、経済アナリスト達の間には、これは低迷した2003年と比較した数値上の上昇であり、持続的成長と判断するには、まだ早すぎるとの意見が出ている。国際的原油高が、国際経済の進展にブレーキをかけるなら、政府の負債運用から生産投資まで、あらゆる面に外国依存度が大きいブラジルは、即時影響を受ける。またインフレ再発を抑制するために、政府が標準金利を引上げていることが、回復を抑圧すると見る向きが多い。

ブラジル地理統計資料院(IBGE)は、2004年4月に13.1%だった公式失業率は、その後低下傾向を見せ始め、7月は11.2%、8月は11.4%、9月は10.9%と発表した。就労者の平均収入は、9月は前月比で1.7%、前年同月比で3.7%、それぞれ増加している。一応、失業率は減少し、実質収入低下傾向は中断された。しかし失業率は2桁台にあり、非公式雇用の増加が大きく、非公式労働市場の労働収入は公式市場以上に低迷している。企画省の応用経済研究所では、経済活動指数の好転が、間もなく労働市場に反映してくると期待していたために、9月の労働市場の回復指数が、どこまで続くかを注目している。

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