カインホア省造船工場で労災多発

カテゴリー:労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2003年10月

ベトナム労働総同盟(VGCL)の中部沿岸地域カインホア省支部のグエン・ヴィエト・ダン委員長によると、2001年以来、同省の外国投資企業で約80件の労働災害が起きた。しかし、そのうち66件が韓国系企業(ヒュンダイ・ヴィナシン)の工場で集中して発生しており、16人が死亡、60人がけがをしている。

最近の事故では、フォークリフト運転手などが被害に遭った。しかし、同社による補償は不十分で、腕を骨折し、前頭部にけがをした労働者は治療費として100万ドン(注1)しか受け取っていない。最も重いけがをした労働者は補償を全く得ていない。従業員によれば、設備の修繕や保守整備がおろそかにされているため、この事故が起きた。6月中旬に死傷者を2人出した事故でも、足場が崩れて足場に乗っていた者と、足場の下にいた者が死亡している。同社によると、従業員を対象に労働安全衛生教育を実施しているが、従業員が労働安全に関する諸規則を順守していない為、大部分の事故が起きている。同工場の従業員の大部分は農村部出身で大型船を修理するための訓練をほとんど受けていない。

従業員の多くは月給85ドルで月400時間働いていることで、過労状態が続いており、これが慢性的な事故多発につながっていると従業員たちは主張する。

グエン・ヴィエト・ダン委員長は、同社の労働組合が、同工場の安全確保に成果を上げていないことを指摘する。カインホア省は、VGCLカインホア省支部に対し、同工場の労災件数削減のための対策を練るように指示している。

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