国民健康保険制度施行への準備始まる
インドネシアには、公務員や一部の労働者を対象にした保険制度は存在するが、国民全員を対象にした健康保険はまだ実施されていない。政府は、国民健康保険制度実施に向けて準備を進めていることを明らかにした。
国民健康保険制度(JKN)法案を6月末までに準備
保健省コミュニティー・ヘルス・サービス局長のアズルル氏は3月6日、貧困世帯を含むインドネシア全国民を対象にした健康保険制度(JKN)を同省が近々施行することを発表した。具体的には、全国民が医療カードを所持し、そのカードを提示することにより、国民は国内であればどこでも基本的な医療サービスを受診できる制度を予定している。インドネシアの健康保険制度は、1945年法第34条第2項の改正法に従って施行され、法律の中では国民全員に対して政府は社会保障の責任を負うと明記されている。
現在、公務員を対象にした健康保険制度であるAskesと、民間企業の労働者を対象にしたJamsostekの2つの制度が存在しているが、将来はこれらを統合し国家社会保障制度(SJSN)を立ち上げ、健康保険、生命保険、労働者の福祉、退職金、年金などをカバーすることになる予定であるという。
この制度が施行された場合、すべての労働者(インフォーマル部門の労働者も含む)はJKNに月給の6%(経営側3%、労働者側3%)を保険料として支払うことになる。インフォーマル部門の労働者からの徴収方法はまだ明らかにされていない。
保健分野の国家予算を現行の1.7%から5~8%へ
保健省では、現在保健分野に対する国家予算の割合が1.7%(2000年)と国際的に見ても低水準であるため、JKNの導入により、この数字が国際保健機構(WHO)の推奨する5~8%に近づくのではないかと期待されている。
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