企業内の労使委員会を持つ企業、全体の4%に留まる

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年6月

労働・移住省の調査によると、全国16万の事業所及び企業のうち、労使の2者協議会を企業内に設置している企業は、約6000社、全体の僅か4%に留まっている事が明らかとなった。

労相、2者協議会設置の重要性を強く主張

2者協議会とは、経営側と従業員もしくは労組がコミュニケーションを図り、労働問題に関する問題を話し合っていく場である。この協議会において労使紛争の解決を模索する場合もある。

3月末に施行されたばかりの新労働法によれば、50人以上の従業員をかかえる事業体は、2者協議会を設置することが義務付けられている。インドネシアで多発する労使紛争の一因として、企業内に2者協議会が存在しないために、労使での話し合いの場が持たれず、労使紛争が度々起こる原因となっていると考えられている。

ジャカルタ、西ジャワ、東カリマンタン、リアウ、スマトラ各州の7県で、16社の大企業を対象に行ったILOのジャカルタ駐在事務所の調査によると、16社のうち2者協議会を有していたのは2社のみであったということだ。そのため、政府とILOはこの問題に早急に取り組む必要があると判断したとされている。

労使紛争の6割が2者協議会内の話し合いで解決

また労移省の調査では、2002年に起きた1万7000件の労使紛争、解雇、ストライキのうち、66%が2者協議会のみでの話し合いで解決してきた実績があることが示された。多くの場合、従業員は企業の経営方針を知らされておらず、また使用者側も労働者の感情を知らないために、両者の誤解から問題が発生するという。今後は、政府とILO共同で、2者協議会の設置推進を更に進めていく方針だという。

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