新労働法への労組の反対続く
2003年2月25日、新労働法(旧労働者保護法案)は国民議会で承認・可決し、3月25日に施行された。6年ごしの同法の成立に、産業界では安堵の声が上がる中、労働者側からは大手の労組だけを参加させた3者委員会での同法の可決は認められないとして、根強い反対の声が上がっている。
法案成立・施行後の労組のデモ活動
22の労組は法案成立を拒否する声明を法案成立以前の2月上旬から発表しており、2月25日の国会法案可決後は、ジャカルタのILO事務所前で、2000人規模のデモ活動が行われた。デモ活動を行ったのは同法に反対する30以上の労組で構成された労働者反虐待委員会(KAPB)で、KAPBはジャカルタだけでなく、北スマトラのメダンや西ジャワ州のバンドン、東ジャワ州のスラバヤなどでも同様の抗議活動が展開された。
同法が施行された3月25日には、インドネシア労働者国民戦闘戦線(FNBPI)のディタ代表を中心に、KAPBのメンバー約2000人近くが、ホテルインドネシアからタムリン通りの国連本部まで行進し、抗議活動を行った。
労組の強い反対の理由
新労働法が概して労働者側に有利な内容であるとの意見が多い中で、労組の反対運動を行う理由は、3者委員会の構成にあった。
労組らは、同法の成立にあたり、選出された労働者側の代表は、64ある労組のうちわずか7組合の代表だけで構成されており、労働者の意見は反映されていないと抗議している。また、同法の成立を支援しているILOに対しても同法支持撤回を求め、メガワティ大統領には法律の取り消し、4月に予定されている労使紛争解決法案も廃止するように求めた。
その後、抗議活動は行われていない模様であるが、5月のメーデーに同様の大規模なデモ活動が行われると見られている。
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