カリフォルニア州公務員年金基金、障害年金給付の年齢差別で雇用機会均等委員会と和解
全国最大の公的年金基金であるカリフォルニア州公務員年金基金(CalPERS)は2003年1月30日、EEOCと和解し、採用時の年齢が高いために、障害年金を減額されていた100人以上の消防士と警察官に計2億5000万ドルを支払うことに合意した。このうち5000万ドルは過去の支払い不足分に、2億ドルは将来の給付水準を正常化させるために用いられる。
カリフォルニア州では、1980年代に障害年金給付削減のため、採用時に31歳以上の労働者が障害を負った場合には、通常の給付水準である従前所得50%を下回る給付を支払うことを州法で定めていた。減額幅は、採用時の年齢が高いほど大きかった。和解金額の2億5000万ドルは、EEOCとの和解金額としては過去最高で、199年にパブリックス・スーパー・マーケットが性差別訴訟の中で支払った和解金額8150万ドルを大きく上回る。
原告の一人は、採用時に43歳で、5年後に腰を痛め、生涯治らない後遺症を負ったが、採用時の年齢のために、従前所得の32%にあたる障害年金だけを受け取っていた。1995年にこの退職者を含む人の障害を持つ退職者は、採用年齢による障害年金給付減額は雇用における年齢差別法(ADEA)違反だとして同基金を提訴した。しかし、最近、最高裁は、雇用における年齢差別に対する金銭補償を個人が州から要求することを認めないと判示したため、個人が州を提訴できなくなり、EEOCが2000年月に当件に介入していた。
CalPERSは、この和解を公正な解決とし、同基金のロバート・カールソン会長は退職者に対し、速やかに給付の未払い分を支払うと述べている。
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