CFTC大会:新会長にジャック・ヴォワザン氏を選出

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年2月

トゥルーズで11月12日に始まった第48回キリスト教労働者同盟(CFTC)大会は新会長にジャック・ヴォワザン氏を選出して、15日に閉会した。今大会は、会長を3期務めたアラン・ドルー氏が退任し、各連盟の影響力の強化が謳われ、公務部門への進出の意思が強く表明された。この動きは、自らのオリジナリティを維持していきたいこの組織にプラスの効果を及ぼす可能性もありそうだ。

前回のディジョン大会では組織の拡大が強調されたが、CFTCによると、組合員数は増加に転じ、1999年以降組合費収入は年率4.4%の伸び率で増えているという。指導部はガラス張りの情報公開を約束しているので、12月の労働審判官選挙が終わったら、公称組合員数はこれまで伝えられていた25万人ではなく、13万人に近いと明らかにすることになる。

また、組合員数のもう1つの重要な結果は、連盟間の力関係に変化が生じたことにある。アラン・ドルー前会長の出身母体である私立学校教員連盟(FESEP)が初めて、商業・サービス・販売員連盟(CSV)に追い抜かれるとともに、金属連盟にも激しく迫られた。今後、書記長が主張している公務部門への浸透が達成されれば、組合員数は倍増する可能性もあるが、連盟間の勢力比にも大きな変化が現れそうだ。

ヴォワザン新会長は自らの役割を規約と方針の遵守を保証する番人であると定義する一方、CFTCの欧州労連(ETUC)および国際労連(WCL)欧州支部への加盟という欧州レベルの活動に熱い意欲を燃やしている。

一方、書記長職はジャッキー・ダンダンジェール氏の再任が決まった。過去3年間の活動報告には95%の代議員から圧倒的な支持が表明された。同氏は組織の日常業務を担当することになる。同盟事務局(執行機関)はこのほか、フィリップ・ルイ会計官と4人の副会長(ギー・ファジロー組織・開発担当、ニコル・プリュドム家族問題担当、ジャン=フランソワ・ヴァネスト組合教育担当、ベルナール・ヴィヴィエ対外関係担当)で構成される。

ヴォワザン新会長はCFTCの未来の活動家たちに共通のビジョンを明確に示した、すなわち、CFTCのアイデンティティによってだけでなく、最も弱い立場の人たちに奉仕する現場の組合運動の専門職化(社会建設の組合運動)によっても、運動を強化する必要がある。CFTCのアイデンティティは誰をも排除することのないキリスト教的価値観と密接に関わっているが、ヴォワザン会長とダンダンジェール書記長のコンビは、企業における労働者の待遇改善にその軸足を置いている。キリスト教的組織よりも「建設的な」組合。これは新時代の到来を示す兆候といえそうだ。ともあれ、当面の優先課題は退職年金交渉だ。賦課方式は損なうことができない国民団結の基盤だというのがCFTCの主張である。

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