自動車産業の労働者、期間工の雇用数制限を求める

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年12月

経済危機後の経営難から、労働集約的産業(特に、繊維・アパレル・縫製・石油化学・自動車産業)において、労働者保護法で「試用期間」雇用と認められる120日以内の雇用契約が急激に増加している。そのため、労働者は社会保障の保護が受けられず、不安定な雇用状態にあることが指摘されている。

労働集約的産業における期間工の増加

これらの事態を重く見た自動車産業の労働者らは9月22日、政府と国会に対して、期間工の採用比率を30%に制限する法律を制定するように申請した。

タイ自動車労連のヴィヴァット議長は、「年々従業員が契約社員化しており、労働者が雇用保障も社会保障もなく奴隷のように扱われている」と訴えた。期間工の採用は、多くの自動車メーカーでは通例となっており、多いところでは半数以上が期間工で占められているという。そして、それはスリヤ工業相の所有する自動車工場も例外ではないと指摘する。

ここ数年、タイの自動車産業は業績も好調で、販売台数も大幅に伸びている。その利益が、産業を支えている労働者に還元されていないと労働者らは不満の声を上げているという。

期間工の採用を制限する法律を求める

以上のような経緯から同労連は、政府と議会に期間工の採用を全従業員の3割までと制限する法律を策定することを求めた。また20以上の自動車労組が合同で、政府に嘆願書を提出し、経営者連盟との協議の場を求めた。

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