ハンガリー/労働災害
―若い従業員ほど高率

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年12月

過去数年間、労働災害関連統計に明白な変化は見られなかった。しかし専門家らは、2002年に関しては、あまり好ましい結果は出ないだろうと考えている。2002年の第1四半期には5698件の労働災害が記録され、既に27名が国内で就業中に死亡した。最も危険な職場は以下の通りである。

  • 建設業
  • 小売部門
  • 食品生産
  • 運輸

2001年には合計2万5536件の労働災害が記録されたが、今年は1?3月に5698件の事故が記録された。これに関して注意すべきことは、最も危険な職場で事故が始まったのが春期(1?3月)だということである。2002年1~3月には、前年より10人以上多い27人が死亡。事故という視点から見て、最も被害を受けやすい部門は建設業である。この業界だけで292件の事故を記録、うち3件は死亡事故だった。こうした事故の記録からは、多くの若者が自分の無責任な行動が原因で事故に遭っていることが分かる。

「金属労働者労働組合連合」の労働安全責任者は、2001年は極めて良好な年であったとしている。事故件数は2万7214件(2000年)から2万5536件(2001年)に減少し、死亡事故の割合も18ポイント下がった。しかし残念ながら、重大事故の割合は上昇した。この部門の中でも鉄鋼・金属産業では状況に改善はみられず、死亡事故の起きた工場もあった。(例:Raba社、Dunaferr Kokszolo社)

労働安全の専門家は次のような意見を述べている。使用者は事故直後は労働安全の向上に努めるが、必ずしも使用者・従業員双方が労働安全に対する姿勢を変えるまでには至っていない。前者の場合は労働条件の改善に取り組むことが必要であろうし、後者の場合は労働安全規則や労働規律をより厳守することが必要であろう。表に過去5年間における労働災害の概要を示す。

表 労働災害:1998~2002年
合計件数 第1四半期の件数
1988 26,944 5,821
1999 26,697 5,898
2000 27,214 6,063
2001 25,536 5,475
2002 5,698

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