ハイバントンネル工事現場のスト参加者が仕事に復帰

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年11月

ハイヴァン峠トンネルプロジェクトで3日間ストを行っていた69人の労働者は、経営側と交渉し、無給であった1時間の休みを有給とすることで合意、2002年8月8日に職場復帰した。プロジェクトの北部地域では、日本のハザマ社と第6土木会社が工事を行っているが、労働者が危険な労働条件および賃金減額への不満から仕事から立ち去ってからは、作業が著しく遅れていた。ハイヴァン峠トンネルは、国道1号線のトゥアティエン-フエ省とダナン市を結ぶもので、総経費2億5100万ドルの85%が日本のODA融資による。

経営側は、爆発物から離れるための時間として、最近1時間の無給の休みを導入した。ストに参加した労働者は、この変更は、労働時間を延長し、実質的に賃金を引き下げると反発した。また、労働者は、十分な安全服および設備なしにトンネルのさらに奥まではいり、危険な場所で働くようになっていることにも不満を持っていた。現場の溶接工は、地下1.5kmのトンネルで働く際に、爆薬、機械などの噴煙に晒されていると述べている。

経営側は2002年8月6日、スト参加労働者の職場復帰を要求し、労働者たちが労組代表者を介して、要求を書面で伝えて来たら検討すると呼びかけた。これに対し、労働側は、現場に労組がなかったため、労働者たちが自分たちで要求を守るほかなかったと反論した。その後、工事現場に労働組合が設立された。また労働者の苦情を集めるための意見箱も設置されることとなった。

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