パートタイム労働者に対する賃金、労働条件の差別禁止

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年10月

パートタイム労働者と有期労働者に、正規労働者と同じ賃金と労働条件を保証する2つのEU指令を満たす新法が2002年7月1日に施行された。差別を受けたと主張する労働者は、直接あるいは間接の差別があったと判断するに足る証拠を提示することだけが求められ、それ以後の立証責任は使用者側にある。労働市場には女性を主とする多数のパートタイム従業員が存在するため、約70万人の労働者がこの新しい法律の影響を受ける。この2つのEU指令はスウェーデンの労働市場を真に揺るがしている。

新しい法律が最も大きな影響を及ぼすのは、労使交渉の対象となる、ホワイトカラー向けの補足年金制度である。EU指令と同法に従い、使用者は年間3カ月間あるいは週8時間以上パートタイムで働く従業員全員のために補足年金保険料を拠出しなければならない。これまでの規則では、適用を受けるのは最低12カ月間勤務した有期労働者と週最低16時間働くパートタイム労働者であった。

新法はパートタイム労働者に対する無料医療、スポーツ助成金、さらには利益分配プログラムなどの付加給付についても定めている。

これらの新しい規則から最も影響を受ける部門として、地方自治体、特に医療部門、メディア部門などがある。スウェーデンテレビが雇用するジャーナリスト1200人のうち225人が臨時雇用従業員である。今や彼らは、以前は利用できなかった産業保健サービスや有料テレビ受信の便宜を全て利用できる。

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