ハンガリー/労働運動の新しい傾向:鉱業部門における労働組合の統合

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

中欧・東欧の記事一覧

  • 国別労働トピック:2002年10月

新しいエネルギー政策により、12年前の状況に比べ、エネルギー部門で雇用されている労働者は10万人減少した。ハンガリーで最も長い伝統を持つ鉱業労働組合の新しい会長は、次の二つを優先課題としている。a)2.5万人の退職した鉱員の利益を守ること、および b)組合員数の増加である。現在、この労働組合には、8,000名の組合員しかいない。彼は、政府と使用者及び従業員の利益代表組織の間の社会的対話における新時代について楽観的観点を表明した。

労働組合にとっての他の重要課題は、我が国のEU加盟に伴う課題への対策である。この点、新しい組合の会長は次のような戦略を示した。第一段階は、エネルギー産業部門で活動している労働組合の統合、第二段階は生産部門で活動している労働組合の統合への支援である。彼によれば、統合したより大きな組合は、組合員の雇用の確保についてより効率的に交渉できる。

鉱業労働組合の会長は、2002年秋の全国選挙まで最大の労働組合連合(ハンガリー全国労働組合協会:MSZOSZ)の副会長の地位を維持する予定である。彼によれば、様々な労働組合連合の間の競争をやめ、協力と統合に注意を払うべき時である。次の表は、鉱業部門の経済状況を要約している。

ハンガリーの鉱業部門:雇用及び生産の水準(1964-2000年)
生産(百万トン) 雇用水準(人数)
1964 31,548 124,286
1961-1965 30,058(平均) 122,816
1981-1985 25,259(平均) 78,654
1999 14,900 13,626
2000 14,270 9,056

出典:鉱業労働組合、2002年

2002年10月 中・東欧の記事一覧

関連情報