小規模労組のためのナショナルセンター設立の動き

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年9月

元NTUC議長のスヴィット氏が、小規模労組を結集させた新しいナショナルセンターの設立を模索している。従来、焦点が当てられてこなかった小規模労組のための労働政策、提言、問題の解決が期待されている。

小規模労組のためのナショナルセンター

2002年7月3日に行われた小規模労組の会議において、「小規模労組のための労組連合(ナショナル・センター)」の設立が議題にあがり、小規模の労組の強化、労組間の理解を促進するための機関を目指すことが検討された。

NCTUの元議長スヴィット氏は、新ナショナルセンターの旗揚げを7月中旬に行いたいと発表している。アドバイザーとして、ソムサック・コサイスック氏やチュラロンコン大学のヴォラビット・チャロエンラート氏などが迎えられる予定だ。

スヴィット氏は、「現在の労働組織は、労働者が直面する諸問題を解決するには不充分な働きしかしていない。組織によっては、政府を支援する組織に移行しているとも言える。新組織では、労働改革を起こし、労働者の組織化を手助けすることを主な活動とする予定だ。そして、よりよい労働政策と労働関連法の強化に対して力を持ったセンターとなるだろう」とコメントしている。

当機構の元委託調査員であったチュラロンコン大学のラエ教授は、この動きに強い支持を示している。同教授は、「労働活動の指導者がいまや崇高な地位に移行しつつある。彼らは政府との付き合いが長すぎたといえる。労働活動とは常に活動的で政治的・経済的・社会的変化に対して機敏に反応していく必要がある」と述べている。

同じくトリンプ・インターナショナル・タイランドのクラジャイ労組議長も、現行の労働指導者を変え、労働活動を改革する時期に来ていると話している。

表 タイのナショナルセンター
  名称 略称 組合数 組合員数 設立年 その他 メモ
1 Labor Congress of Thailand LCT 139 12万3000人 1978年 国際自由労連
(ICFTU)加盟
 
2 Thai Trade Union Congress TTUC 190 6万5000人 1983年 国際自由労連
(ICFTU)加盟
LCTから分離独立
3 National Congress of Thai Labor NCTL 218 3万人 1979年 国際労連
(WCL)系
 
4 Confederation of Thai Labor CTL 62 3万人 1993年 国際自由労連
(ICFTU)加盟
TTUCから分離独立
5 National Labor Congress NLC 55 2万人 1991年 国際自由労連
(ICFTU)加盟
 
6 The National Congress of Private Employees of Thailand NPET 30 2万人 1993年 国際労連
(WCL)系
NCTLから分離独立
7 National Free Labor Union Congress NFLUC 54 1万人 1978年    
8 Thailand Council of Industrial Labor TCIL 30 5000人 2001年    
9 The Central Council of Thailand CLCT      

出所:労働社会福祉省労働保護福祉局

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