失業者数が、487万人に、失業率は、13.9%

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

フィリピンの記事一覧

  • 国別労働トピック:2002年9月

高い人口増加率が、労働力人口の増加をもたらし、2002年度4月のフィリピンの失業者数は、487万人に達した。

失業者487万人

労働統計調査によると、2002年度4月のフィリピンの非自発的失業者人口は487万人、労働力人口の13.9%に達した。

失業率は、前年同期比0.6%上昇、前期比3.6%上昇したことになる。失業率の調査は、年4回、1月、4月、7月と10月に行われるが、4月は、新卒者が労働市場に参入することもあり、通常、一年中で最も高い。ムスリム・ミンダナオ自治区以外は、失業率が、10%以上に達し、マニラ首都圏が、最も高く、20.3%を記録した。

産業構造

全就業者人口に占める割合については、サービス産業が47.5%(1.3%の増加)と最も大きく、続いて、第1次産業、第2次産業がそれぞれ37.4%(0.9%の減少)、16%(0.4%の減少)という結果が出た。また、就業人口数については、サービス産業は6.6%の増加、第1次産業は1%、第2次産業は0.7%増加した。

楽観論と悲観論

2002年、第1四半期のフィリピンの経済成長率は3.8%に達し、前年同期の2.9%を上回った。経済学者の中には、失業率の上昇は、経済成長が、労働人口の増加率に追いついていないのが原因でそれほど重要な問題ではないという楽観的な観測を述べる者もいる。他方、最近のアンケート調査によると、国民の5人に1人は、フィリピンの将来に悲観的であるという結果もでている。また、フィリピンの高失業率が、フィリピンの社会問題の根源であると指摘する社説もでている。

2002年9月 フィリピンの記事一覧

関連情報