仕事と家庭生活の調和
―Eurostatの調査報告書

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年9月

Eurostatは、加盟各国における男女のカップルの雇用パターンを調査した。結論から言うと、ほとんどのEU加盟各国では、夫婦二人(男女のカップル)とも働くのが一般化しているということである。

調査結果

欧州では、女性の社会進出が進むとともに男性一人が家計を支えるのではなく、男女双方が就労し家計を支えるようになっている。

調査は、20歳から59歳までの年齢階層にある男女のカップルのうち少なくとも1人が働いている世帯を対象にその雇用パターンを検討している。

データを入手できた加盟10カ国平均では、男女双方が就労している世帯は全体の約62%に達した。ただこの割合は加盟各国間でかなりのばらつきがあり、スペインやイタリア、ギリシャでは40%から50%の間であったのに対し、フランスやオランダ、オーストリア、ポルトガル、イギリスでは3分の2を超えていた。全般的には、1992年以降世帯の男女双方が就労する傾向が高まっている。

この割合を子供の有無別に見てみると、子供がいないカップルの場合はスペインの42%からイギリスの79%にまでわたり、子供がいるカップルではスペインの44%からポルトガルの74%にまで及んでいた。加盟国のうち5カ国では、子供のいるカップルの方が子供のいないカップルよりも双方の就業率が高かった。反対の現象は加盟6カ国で確認され、特に格差が大きかったのはアイルランド、ドイツ、イギリスであった。

また女性の教育レベルが高まるほど、男女カップル双方が就労する割合も高くなっている。

さらに2人とも就労しているカップルの大多数が、双方ともフルタイムで働いていた。ただドイツやオランダ、イギリスの子供のいるカップルはこれとは異なる傾向を示していた。またポルトガルを除くすべての加盟各国では、子供のいるカップルの方が子供がいないカップルよりもどちらかがパートタイムで働く割合が高くなっている。その場合、女性がパートタイムで働くケースがほとんどである。

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