世界的な大手コンピューター訓練校が進出

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年8月

全世界で290の訓練校を持つ、ニューホリゾンコンピューター訓練校が、フィリピンのITを学習する労働者や学生の増加を予想し、訓練校を設立することを発表し、労働者の注目を集めている。

授業内容

訓練校側の説明によると、授業は、教室での授業とインターネットによる授業に分かれる。訓練校側は、フィリピンの交通事情では、通学に時間がかかるため、仕事や授業の都合で、訓練校に通学できない労働者や学生が、インターネットによる授業に多く参加者すると見込んでいる。また、インターネットを用いた授業は、定時コースと非定時コースに分かれている。非定時の授業は、1200以上のコースに分かれており、基本的なコンピューターの操作訓練から高度なITの教育まで実施する。

ニューホリゾンコンピューター訓練校は、2000年だけでも、全世界に2000以上のクラスを設け、2700人以上の講師を擁し、1日当たり300万人の受講者が講習を受けている。

卒業生の就職の見通し

米国がIT不況から完全に回復していない中で、受講生が、卒業後米国のIT企業に就職し、高収入を得ることは難しい。

フィリピン国内の多国籍企業に就職した場合、月収2万5000ペソから5万ペソの収入を得られる。フィリピンの企業に就職した場合は、月収は、2万ペソ以下で、最低賃金より僅かに高い1万ペソしか支払わない企業さえある。

しかし、国内のIT産業は、まだ発展の初期的段階にあり、高い技術や多くの経験があっても、就職先は限られているのが現状である。

政府の対応

アロヨ政権は、IT技術者を多数養成し、ベンチャー企業を多数興しフィリピンの産業構造を変革することを計画しており、ニューホリゾンコンピューター訓練校のフィリピン進出に大きな期待を寄せている。ただし政府は、IT技術者がベンチャー企業を興す上で最も重要な資本調達をどのように援助していくかについては明確な政策をまだ打ち出していない。

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