ハンガリー/労働市場の現存する地域格差

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年8月

経済省の「雇用局」が行った最新発表によれば、2002年2月に公式に記録された失業者は38万1,100人であった。前月に比べての季節的増加は3.5%であった。(1)

失業人口の内訳を見ると、ブルーカラー労働者の占める割合が6.4%減少、ホワイトカラー従業員の占める割合が8.1%減少した。「長期失業者」の占める割合が2001年2月から2002年2月の間に27%下がったことに注目することが重要である。

前述したように、ハンガリーでは失業の減少に明白で大きな地域格差がある。例えば北部大平原地域や北ハンガリー地域では失業の減少は10%を上回ったが、「南トランスダニュービア」地域ではゼロ%であった。ハンガリーの失業者登録数の地域別変化については、表を参照されたい。

表から以下の最も重要な傾向がわかる。前年同期と比較すると、全国7地域のうち5つの地域で失業率が低下した。なかでも労働市場状況が最も改善したのは「北ハンガリー」地域と「北部大平原」地域であった。

登録失業者数の地域別変化
地域 2001年2月 2002年2月 変化(%)
中央ハンガリー 4万2,924 3万8,617 -10.0
北ハンガリー 9万0,170 8万2,552 -8.4
北部大平原 10万0,204 8万9,807 -10.4
南部大平原 6万2,669 5万8,145 -7.2
中央トランスダニュービア 3万6,368 3万6,741 1.0
西トランスダニュービア 2万6,763 25万9956? -3.0
南トランスダニュービア 4万9,252 4万9,249 0.0
合計 40万8,350 38万1,067 -6.7

*EUの分類(NUTS II: Nomenclature of Territorial Unit for Statistics:地域統計分類単位、NUTS IIはregionに相当)によれば、ハンガリーは歴史的に形成された19の県とハンガリーの首都ブダペストに代わって7つの主要地域によって構成される。

2002年始めの数ヶ月に記録された重要な傾向のもう1つは、「初めて失業した者」の占める割合が前年(2001年)に比べ12%減少してきたことである。

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