失業率は低下傾向、雇用状況改善の兆しか
2002年4月末、国家統計局は2002年2・3月の失業率を発表した。失業率は2月が2.8%、3月が2.7%で、前年同月の4.2%、4%からそれぞれ大幅に低下した。
景気底入れ感が感じられる中、雇用への波及が期待できる。
失業率は2001年に比べて大幅に低下
2002年3月の失業率は前年同月と比べて1.3ポイント、前月と比べても0.1ポイントの減少となった。地方別では、バンコク2.6%、中部1.4%、北部2.1%、東北部4.2%南部2.5%となっており、農村部である東北部の失業率は相変わらず高く、農村部での雇用対策が重要であることを示している(農閑期ということを考慮に入れても他地方よりも高い)。
失業者数は90万人で、このうち約3割の27万人が新卒者、失業者は製造業や建設業での解雇労働者が大半だという。また、農業就業者が半数を占めるタイにおいて、季節的失業者(農閑期)も大きいが、3月の統計では乾季のため多少失業者の数は高めになっている。
1997年の経済危機後、失業率は1999年の5月に5.3%を記録したが、2001年の不況時にもこの水準までは至らずに、減少傾向をたどっている。
景気の底入れ感が雇用まで波及するか
タイの輸出相手国であるアメリカや日本の景気が上向き傾向であることも手伝い、輸出部門が好調。タイの商工会議所大学(University of the Thai Chamber of Commerces)がまとめた3月の消費者景況感指数(100以上が好感を表す)は、73.2となっており、1月の66.4、2月の70.7と連続して上昇していることからも、多くの企業が「底入れ」を感じていると言えそうだ。
アメリカに本社を置く人材派遣業TMPワールドワイド社タイ支局の2002年第4四半期の求人動向調査によると、正社員の採用を予定している企業が33.9%、増減はないと答えた企業が57.6%、削減を予定していると答えた企業が8.5%ということだ。採用見込みがあると回答した分野は、保険業(100%)、IT産業(75%)、小売業(66.7%)、一方削減見込みがあると回答した分野は、通信業(50%)、小売業(33.3%)、製造業及び建設業(22.2%)となっている。
また、契約・派遣社員の採用見込みに関しては、78.8%が現状維持、15.3%が増加見込み、6.8%が削減見込みとなっている。産業別では、増加見込みが多かったのが小売業(66.7%)、広告・マーケティング業(33.3%)、製造業及び建設業(22.2.%)となっている。
2002年7月 タイの記事一覧
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- 海外出稼ぎ労働者の斡旋をめぐる汚職問題
- タイにおけるジェンダーの平等とディーセントワーク(ECOTレポート)
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