欧州委員会、派遣労働者の保護に関する指令案を提出

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年6月

欧州委員会は、2002年3月に派遣労働者にEUレベルで最低限の保護を与えること等を目的とした指令案を提案した。人材派遣業は急速に拡大しているものの、それが全雇用者に占める割合は1998年時点で1.4%にすぎない。派遣労働者の約8割はオランダ、フランス、ドイツ、英国の4カ国で働いている。

指令案の内容

指令案は、派遣労働者と派遣先事業所の同種の労働者との間の労働条件における差別を禁止する原則を提案している。この場合の「同種の労働者」とは、派遣労働者が従事しているものと同一あるいは同様の職位に従事する派遣先事業所の労働者と定義されている。

そして、派遣労働者が同一事業所で6週間就労すれば、同原則が適用されることになる。ただ、1客観的理由が存在する場合、2労働協約が適用される場合、3派遣労働者が派遣元と期間の定めのない契約を締結している場合、4同種の労働者も労働協約(派遣先、派遣元)も存在しない場合、には同原則の例外が認められる。

今後、指令案は欧州議会と欧州理事会に提出される予定である。

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