春節(旧正月)出勤手当、どう支払うべき

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年6月

春節(旧正月)は、中国では一年中で最も重要な伝統行事である。中国の「労働法」第40条では、事業所は春節など法定休日には、法律に従い、労働者に休暇を取らせなければならないと定めているが、実際のところ、業種によって、毎年の春節に、従業員の出勤を必要とする企業が少なくない。その中で労働者に春節出勤を求めながら、労働法に従った妥当な手当を支給していない企業もある。春節出勤手当の支給をめぐっては、外資企業でもしばしば労使紛争の原因になっている。春節などの法定休日に従業員を出勤若しくは残業させた場合に、企業側はどのように手当を支給すれば妥当であろうか。

中国の「労働法」第44条によれば、休日に労働者を勤務させ、かつ振替休日を手配できない場合、給料の200%を下回らない手当の支給が定められている。法定祝祭日に、労働者を勤務させた場合、企業が給料の300%を下回らない手当の支給が定められている。それによると、春節7日間の休日中に、旧正月初日からの3日間は法定祝祭日で、その間に出勤した労働者は勤務先に対して平日給料の3倍に相当する手当の支給を要求する権利がある。旧正月4日目から7日目までには一般的に土日などの振替休日も入っているので、その間に出勤した労働者に対して、会社は同じ時間の振替休日を手配しなければならない。振替休日を手配できない場合に、労働者に給料の2倍に当たる報酬を支給しなければならない。

労働者は企業から妥当な休日出勤手当を支給されなかった場合には、法に基づき、支給を要求することができる。企業側がこうした要求を拒否した場合、労働者は地元の労働社会保障の行政機関に報告し、労働行政による介入を通じて自身の合法的権益を守ることができる。労働部の「賃金支給暫定法規」などによれば、企業など事業所は従業員給料のピンハネを行った場合、ピンハネされた賃金の追加支給だけでなく、賠償金支給も課せられる。賠償金額は一般的に賃金の25%に当たる。

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