欧州委員会、EU域外の国民に対する社会保障上の差別撤廃を求める

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年5月

欧州委員会は、EU域外の国民に対する社会保障上の差別を撤廃することを目的とした提案を採択した。現在、こうした国民はEU加盟諸国間を移動する場合には社会保障上の権利を維持することができない。そこで委員会は、現行の社会保障調整規則の適用範囲をEU域外の国民一般にも拡大するよう求めている。公式には社会保障制度は加盟各国の問題であるが、EUは人の移動を重視して1971年以降他の加盟国で獲得された社会保障上の権利の維持を保障している。このような規定は、現在では無国籍の者や難民などにも適用されるようになったが、EU域外の国民には及んでいない。

今回の提案には、EU市民と同等の権利・義務を認めることによりEU域外の国民の統合を支援し、労働者の移動を促進するといった目的があった。ただ対象はあくまでも加盟国に合法的に居住し、かつ別の加盟国に移動するEU域外の国民である。

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