労働者の利益参加計画増える

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年5月

組合団体「組合の力」の調査によると、2001年、大サン・パウロ市圏内のサン・パウロ、グァルーリョス、オザスコ、サン・カエターノ市の金属労働組合傘下の労働者の企業利益実績参加計画を実施する企業は、前年の528社から794社になり、対象労働者にして98,351人から123,835人、配布金額にして、7659万1000レアルから、918万8000レアルに増加した。

これは企業数にして、53.2%、労働者数にして79%、労働者の利益総額で20%の増加である。この内半分は、既に2001年の中頃に支払われ、残りの半分は、2月に支払われる。組合団体「組合の力」によると、2000年に支払われた同団体傘下の労働者1人当たりの平均分配金額は、728.20レアル、2001年では741.90レアルであった。

組合指導者の言葉によると、この制度により、企業は、好不況に応じて、労働者のボーナスを加減でき、労働者の信頼を得ることができるから組合との交渉も楽になるとその利点を述べている。ただし、現在の所、労働者は、利益額をこの制度の基準とすることには、疑問を持ち、生産性の増加を基準とすることを主張していると言う。

大手の人事コンサルタント事務所では、年間インフレ率が7、8%である現在では、実質賃金の回復を目指す賃金交渉はあまり重要なものではなくなり、組合も企業も利益参加の方を選択するようになっていると語っている。

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