ジャーナリストが著作権闘争に勝利

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年4月

ジャーナリストと日刊新聞各社との間でほぼ9カ月続いた協約交渉は、残業と従業員の新規雇用の禁止に関わる紛争に発展し、日刊新聞各社における一週間のストライキが危ぶまれたが、国の調停機関の調停により紛争が終結し、2001年4月1日から2003年3月31日までの3年協約を締結した。この協約は、9カ月分の賃金引き上げ分の遡及支払いがクリスマス前に間に合うようなタイミングで締結された。

交渉は長引いたが、その争点は金銭ではなかった。最終合意は、0.1から0.3パーセントの変動はあるが、他のほぼすべての部門の合意と変わらず、3年で8.7%賃上げとなっている。むしろ争点はジャーナリストの著作権にあった。使用者である新聞社連盟TUは、記事または写真を新聞以外に二次使用する都度、使用料を交渉するという現在のシステムが煩雑であるとし、このジャーナリスト著作権システムを廃止することを要求していた。ジャーナリストはそのシステムを維持することを望んでいたが、著作権問題については十分な調査をするか、あるいは仲裁に付してから決定することとし、交渉を通してまず賃金のみに関する協約に署名する用意があった。しかし、使用者は著作権問題に関しての共同決定をきっぱりと終わらせたいと望んでいた。

結局、この状況を打開したのは、著作権はジャーナリストおよび写真家の手に残し、記事や写真の二次使用のための使用料問題に関しては全国レベルの当事者間の交渉に委ねるという、調停者からの提案であった。両当事者はあまり繁栄していない業界にとってストライキが大きな損害を与えかねず、労働者も4月1日からの遡及賃上げの一部を失う可能性があったのである点を考慮してこれを受け入れた。

記事や写真の二次使用の使用料は、後日、ジャーナリスト労組およびTUにより700から750クローネの間に決定された。これは現在、新聞社がニュース報道社提供の情報写真利用時に支払っている金額である。

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