職業訓練に参加する失業者、わずか10人に1人

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年4月

昨年の離職者は8万人を超えたが、このうち再就職の機会を増やすために職業訓練を受けたのはわずか10人に1人にすぎないことが労働力省の調べで分かった。また低学歴者と中高年のグループも訓練参加率が低く、小学校卒業以下の学歴者で9.7%、50?64歳の中高年で21.6%にとどまった。労働者全体で見た場合でも、訓練参加者は3人に1人であった。

こうした結果に加え、離職者が今後もしばらく増えることが予想されるため、1月に設置された職業特別対策委員会(JTF)は会合を開き、訓練への参加を促す方途を探る。

もっとも、募集者数以上の応募がある訓練制度もある。全国労働組合会議(NTUC)が運営する技能再開発プログラムでは昨年、2万人の募集に対し2万3000人以上の応募があった。同プログラムは主に低学歴者と低技能者を対象としているが、参加者は受講料が補助されるうえ、従業員を訓練に送り出した使用者に対しては、訓練期間中の給与の一部について政府から補助がでる。

プログラム 内容 01年の参加者数
国家ITリテラシー・プログラム 高齢者、主婦、労働者が対象。インターネットの利用方法など基礎的なIT技能の習得。 6万5000人
技能再開発プログラム(SRP) 低学歴者と低技能者が対象。証明可能な技能の習得。 2万3000人
NTUC教育訓練基金 自主的に技能の訓練・向上を図りたい組合員に対し資金の提供。 3万21人
技能訓練基礎教育プログラム(Best)
中等教育プログラム(Wise)
いずれも成人労働者が対象。Bestは基礎レベルの、Wiseは中等教育レベルの英語・数学の習得。 9967人
重要技能訓練(Crest) 雇用可能性の向上に必要な技能の習得。 5704人
戦略的人材転換プログラム 管理職・専門職を対象。成長部門への転職に必要な技能の習得。 407人
労働者訓練プログラム 離職・転職の対処、キャリア計画、求職活動の技能の習得。 2001年1月に開設

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