失業率、過去15年間で最悪

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年4月

労働力省の雇用統計(速報値)によると、2001年12月の失業率は4.7%で、過去15年間で最悪を記録した。2001年通年の数値はまだでていないが、労働力省はアジア通貨危機のあった1998年12月の4.4%を上回るだろうと見ている。

2001年の四半期末毎の失業率(季調後)を見ると、3月は2.4%、6月は2.6%、9月は3.8%、12月は4.7%(速報値)で、次第に悪化していることが分かる。

2001年失業者(季調後)(%)
3月 6月 9月 12月
2.4 2.6 3.8 4.7*

*速報値

解雇者数も同様に悪化の一途をたどっており、四半期毎に見ると、第1四半期は3248人、第2は5631人、第3は8368人、第4は8400人(速報値)で、通年合計は2万5600人となり、2000年通年(1万1624人)の2倍以上を記録した。経済を大きく財生産とサービス生産の二部門に分けてみると、全般的には財生産部門の方が状況は深刻だが、第4四半期については両部門の差はほとんどなく、むしろ対前期比では財生産部門の解雇者数は1000人近く減少しているのに対し、サービス生産部門は引き続き1000人以上増加している。

2001年 解雇者(季調後)(人)
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 通年
合計 3248 5631 8368 8400 2万5600*
財生産 2167 3954 5527 4300 1万5900*
サービス産業 1081 1677 2841 4100 9700*

*速報値

現地のエコノミストによれば、2002年の雇用の伸び率はマイナス0.1%で、労働市場が好転しだすのは第3四半期以降になってからになりそうだ。

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