工業雇用の割合減少

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年4月

ブラジル地理統計資料院のデータでは、工業雇用の減少が6大首都圏の労働市場の悪化の最大の原因となっている。雇用全体に占める工業雇用の割合は、91年の22.3%から2001年11月には16.1%に減少した半面、サービス部門では48.7%から54.8%に、商業では14.6%から15.0%に増加している。

工業は正規雇用が多い部門であり、91年には工業雇用全体の79.49%が正規雇用であったが、2001年11月にはその割合は66.5%に低下した。2001年は11カ月間で16.3%も減少しており、工業部門は雇用を減少させただけでなく、正規雇用も減少させて、労働の質を低下させている。

サンパウロ州工業は7年で57万人の雇用削減

サンパウロ州工業連盟は、1994年末に215万人を雇用していたサンパウロ州内の工業は2001年末に158万人に減少したと発表した。2000年には経済成長により2万7400人の新規雇用があったが、2001年には3万2500人の減少となった。しかも連盟は2002年に雇用増加はないと予想している。

工業の雇用減少は様々な悪影響を残している。サンパウロ市の連帯・労働・開発局が2000年の国勢調査のデータを元に、州内各都市の家長の収入を比較分析したところ、工業化が少ない市ほど収入の増加が見られた。工業は雇用減少のみにとどまらず、労働力の収入低下も起こしている。

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