最低賃金、一部の県で2~7バーツ引き上げ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年2月

国家賃金委員会は2001年12月3日、6県の最低賃金の引き上げをおこなうことを決定し、12月18日の閣議で承認された。2001年1月1日に全国一斉3バーツの最賃引き上げが行われたが、県別の引き上げは1998年以来4年ぶり。一方、バンコク首都圏の最低賃金は据え置かれる。

2001年12月4日付け現地紙バンコクポストによると、当初、国家賃金委員会は2002年1月1日より11県を対象に最低賃金を2~7バーツ引き上げると発表していた。しかし12月18日の閣議決定で、6県のみが引き上げを認められた。

今回、バンコク首都圏での最賃引き上げは行われなかったが、従来バンコク首都圏と同じ物価水準であるとみなされたプーケットが、3バーツの引き上げにより、日給168バーツとなった。また、ラヨン県に続き2番目に大きな工業地帯を抱え、多くの日系企業も進出しているチョンブリ県でも3バーツアップの146バーツに引き上げられた。残りの4県は、最も最低賃金額が少ない地域で、それぞれ133バーツから136バーツに引き上げられた。

イラワット国家賃金委員会委員長は、各県の賃金委員会はそれぞれの県の経済状況と生活費を考慮した上で新しい賃金額を提示したとコメントしている。

2001年のインフレ率は2%前後、2002年もほぼ同水準であると各研究所では予測しており、今回の最賃上昇率は適切な割合であると判断できよう。

注) 最低賃金(日給)は、各地域の経済状況、工業化の度合い、生活費などを考慮に入れたゾーン1から8までに分類されている。

[ゾーン1]プーケット県:168バーツ、[ゾーン2]バンコク首都圏:165バーツ、[ゾーン3]チョンブリ県など:146バーツ、[ゾーン4]チェンマイ、コラート県など:143バーツ、[ゾーン5]アントン県など:138バーツ、[ゾーン6]チャチューンサオ県など:137バーツ、[ゾーン7]ナラティワット、シンブリ県など:135バーツ、[ゾーン8]その他59県:133バーツ

最低賃金の引き上げが行われることが決定した県(2002年1月1日より)
県名 地方 特記 2001年最低賃金額(日給) 2002年最低賃金額(日給) 上昇額(バーツ) 上昇率(%)
プーケット 南部 観光地 165 168 3 1.8
チョンブリ 東部(中部) 工業団地(IE)1万2000ライ 143 146 3 2.1
アントン 中部   133 138 5 3.8
チャチューンサオ 中部 工業団地(IE)8,040ライ 133 137 4 3.0
ナラティワット 南部   133 135 2 1.5
シンブリ 中部 工業団地(IE)665ライ 133 135 2 1.5

注:1ライ=1,600m2

出所:Bangkok Post、2001年12月4、14日

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