労働雇用省、悪質就職斡旋業者の取り締まりを強化

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

フィリピンの記事一覧

  • 国別労働トピック:2002年2月

パトレシア Sto.トーマス労働雇用大臣は、2001年11月9日、海外出稼ぎ労働への就職斡旋業者に関する取り締まりを強化すると発表した。これは、国内の無登録の就職斡旋業者によるトラブルが多発していること、斡旋業者が過剰になり非合法な競争を展開し始めたためである。

労働雇用省(DOLE)は、この問題に関し、フィリピン海外雇用庁(POEA)と政策変更に関する協議を始めたと発表した。協議の内容は、斡旋事業認可の登録料を現行の100万ペソから500万ペソに引き上げること、行政処罰を受けた場合は、登録を即時抹消することである。これは、最高裁で有罪となった場合にのみ免許取り消しとなる現行法より遥かに厳しいものである。Sto.トーマス労働雇用大臣は、「これらの政策により、問題企業は、事業の継続が困難なものになる」と強調した。

DOLEによると、今年前半で、46万6663人が海外で働くために出国したが、これは、2000年同期比の45万9832人より多い。DOLEは、今年中に100万人に達することを希望していたが、同時多発テロ後の海外の外国人雇用環境の変化により目標達成は難しいと見られている。

POEAによると、1300の民間のリクルート会社があるが、この他にも多数の無登録の企業が、フィリピン人労働者を海外に送り出している。これらの非正規の就職斡旋会社を通じて海外へ出稼ぎに出た場合、現地に着いたら契約内容と全く違う仕事や待遇を受けるなど多くの問題が生じていた。

2002年2月 フィリピンの記事一覧

関連情報