欧州委員会、欧州雇用戦略の地域レベルでの強化を求めるコミュニケを採択

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

EUの記事一覧

  • 国別労働トピック:2002年2月

欧州委員会は、2001年11月に欧州雇用戦略を地域レベルで強化することを目的とした政策文書(コミュニケ)を採択した。コミュニケは、加盟各国およびその地域レベルでの雇用創出の方法やEUレベルでのこれまでの経験を如何に生かすかを示唆するものとなっている。

EUでは2000年に地域レベルに焦点を当てたキャンペーンが実施され、雇用状況の改善にとって国家機関だけでなく、地方自治体や市民の参加が欠かせないとの認識が確認されている。今回のコミュニケは、このような背景から採択されたのである。欧州議会なども欧州雇用戦略の地域レベルでの展開に支持を表明している。

コミュニケの内容

まず欧州委員会はコミュニケにより、加盟各国の地方で展開されている雇用創出の成功例を普及促進し、加盟各国の国家雇用行動計画に一致する地方雇用戦略の開発を促そうとしている。ただ地域レベルでの戦略には雇用だけでなく、男女平等、経済開発、情報化社会なども含まれる。この分野での政策の進捗状況は、欧州委員会がその評価を行うことになる。

さらにウェッブサイトや調査研究報告書などを通し、啓蒙活動を行い、成功例の試みや情報交換も行われる予定となっている。そして2003年には加盟各国の各当事者を招きフォーラムを開催することも検討されている。

また特徴的なのは、男女平等が重視されている点である。欧州委員会は、男女平等政策がもっとも効果を発揮するのは地方レベルであるとの見解を示しており、地方レベルでの雇用戦略に女性の参加を促すとともに、戦略の対象に女性を含めるよう考えている。

2002年2月 EUの記事一覧

関連情報