第2次国家労働委員会の勧告遅れる

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年1月

インド最大の炭坑会社、国有インド炭坑会社(Coal India Ltd、以下CILと略記)の労働組合の指導の下、多くの国有の炭坑会社の労働組合が団結し、中央政府が民間資本を炭鉱経営に導入しやすくするのを目的とした「炭坑国営化法の改正案」の冬期議会での可決を阻止している。

労組の団結状況と背景

多くの炭坑労組が、法案可決を阻止するために、2001年12月3日からの3日間のストを決行した。これらの労組は、インド労働連盟(BMS)、ヒンドゥー労働者連盟(HMS)、全インド労働組合会議(AITUC)、インド労働組合センター(CITU)と提携している

ただし、今回のストに、インド全国労働組合会議(INTUC)と提携している労組は参加していない。

与党の中核政党バーラティーヤ・ジャナタ党(BJP)の前衛的労組BMSが、今回の大規模なストの中心的活動を担った。国民会議派系のINTUCは、BMSの要請に応じないことを決定した。報道によれば、中央議会が、INTUCの幹部に炭鉱経営の自由化問題に関するストに参加しないよう強い要請を行ったためである。

ラム・ヴィラスパスワン炭坑大臣は2001年11月、炭坑国営化法の改正内容が、民間企業が炭坑国有企業50%以上の株式の所有を可能にするものであることを明らかにし、民間からの大規模な投資を促す上で必要性が高いことを強調した。現行法では、合弁事業であっても民間企業は、最高49%の株式しか所有できず、これが民間企業の炭坑業への投資を躊躇させていた。

インド炭坑会社の子会社の再建問題

ストを決行した労組は、法改正の外に、CILの再建に即時協力すること、CILと他の全ての子会社を合併させることも要求している。

労組は、特に3つの赤字子会社、イースタンコールフィールド社(ECL)、バハラトコーキングコール社(BCCL)、セントラルコールフィールド社(CCL)に対する臨時の財政支援を強く要請している。

労組の幹部は、「石炭各社は、炭坑の産出量が減少傾向にある一方で、一部の民間企業からの大量の低価格の石炭販売が、公営企業の炭坑への投資を混乱させ、新規事業や炭坑の拡張に着手できないでいる。これらの問題は、長期間議論されないまま放置されており、中央政府は、今回の法改正により石炭産業への民間からの投資を誘発する以前に、この問題を解決すべきである」と主張している。

ストの影響

ストの影響の全容は、まだ明らかになっていないが、労組によると、CIL子会社全体の生産量は、通常の日産90万トンから10万トンに減少した。

CILの主な子会社の労働者数

子会社 1996年 1997年 1998年 1998年
Easterm Coalfields Ltd 158,918 158,251 153,154 135,957
Bharat Coking Coal Ltd 143,965 142,436 135,535 122,266
Central Coalfields Ltd 92,250 91,649 88,122 82,330
Western Coalfields Ltd 84,860 84,805 84,787 80,716
South Easten Coalfields Ltd 99,214 98,966 98,784 97,717
Mahanadi Coalfields Ltd 2,337 23,427 23,391 22,904
Northern Coalfields Ltd 16,908 16,990 17,152 17,264
North Eastern Coalfields Ltd 4,783 4,779 4,716 4,314
603,235 621,303 605,641 563,468

出所:石炭省

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