政府、中東の海外出稼ぎ労働者の安全に配慮
政府は、米国が同時多発テロに対する報復宣言をしたのを受け、中東で働く100万人以上のフィリピン人労働者の生命が万一危険に曝された場合に備え、緊急帰国の準備を始めている。
アロヨ大統領外遊時の政府の対応
リボベルト・テグラオ大統領報道官は2001年9月14日、1995年に策定された海外労働者の緊急帰国計画を今回再度準備していることを明らかにし、「政府は、緊急事態が発生した場合、フィリピン人海外労働者が安全に帰国できることを保障する」と強調した。さらに、テグラオ大統領報道官は、前回の湾岸戦争では、労働者の緊急帰国に対し軍用機のC-130を派遣したが、今回は民間機が利用される見込みだと述べた。労働雇用省のマニュエル・イムソン次官は、緊急帰国計画に関する委員会が、副大統領のテオフィスト・グインゴナ・Jrとアルベルト・ラムロ委員長によって招集され、中東で働くフィリピン人労働者の緊急帰国と医療サービスの計画を準備していると説明した。
アロヨ大統領帰国後の対応
アロヨ大統領も9月17日、日本から帰国後直ちに財政当局に、中東で働く労働者が急遽帰国せざる得ない場合に備えて、補正予算を組む準備をするよう指示した。これを受けテグラオ大統領報道官は、補正予算は労働雇用者(DOLE)によって準備され、第1段階として2億ペソが準備される予定であることを明らかにした。しかし、ヨセ・イシドロ・カマチョ財務大臣は、補正予算をどの程度準備すべきかは閣議で討議されると述べるに止め、今後米国がどのように報復活動をするかにより、補正予算の必要性や予算額が変動すると説明し、具体的な予算額に対するコメントは控えた。
中東のフィリピン人労働者数
政府の発表によると、中東全体で100万5127人のフィリピン人が働いている。国別ではサウジアラビアに75万人(74.6%)、アラブ首長国連邦に10万3782人(10.9%)、クウェートに3万5000人(3.4%)、カタールに3万2000人(3.1%)、オマーンに2万4834人(2.4%)、バーレーンに2万1000人(2%)、レバノンに1万6495人(1.6%)、リビヤに1万2000人(1.1%)、イスラエルに9439人、イランに500人、イラクに77人となっている。
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