各地で教員スト、給与未払い分を求める

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年11月

インドネシア教員連合(PGRI)は、給与増額分の支払いが行われていないことに抗議し、2001年8月下旬より、各地で組合員のストライキを行った。

ストライキが行われたのは、中央ジャワのプルバリンガ、東ジャワの東ランパン、マディウン、ポノロゴ、東南スラウェシのムナ郡などである。各地とも数千人規模のストライキが行われたため幼稚園から高校までが一時閉鎖となった。

インドネシアでは、県行政協議会が地元行政の予算請求を認めた後の2001年4月1日から、公務員給与の全国一斉引き上げ(14~30%)を行うと発表されたが、教員らは未だにそれらの増加分が支払われていないことに抗議している。

各県・郡では、2001年7月からの地方分権法成立以降、財政的な困難が続いていたため、教員の給与増額分の支払いが重い負担となっていた。

各地のPGRIでは、以前から引き上げ分の支払いを行政側に要請していたが、支払いの期限が延期されるばかりの状況に抗議する形で、今回のストライキが行われた。教員の中には、引き上げ前でさえ低い水準の給与であったのに、増額分が支払われず生活に影響していると、窮地を訴えている(教員の低水準の給与に関しての詳細は本誌2000年4・7月号を参照、例えば新任の小学校教諭でディプロマⅡ級レベルの場合、月給は約80万ルピアとなっている)。

地方によっては問題解決のため、国営銀行からの借り入れを決定したところもある。

アブドウル・マリク国家教育相は、これら一連のストに関して、財務省と行政改革省などにこの問題の解決の協力を求める書簡を送ったことを明らかにした。同大臣は、今回の問題は、支払いが遅れた各地方政府に問題があるとし、財政面で問題があれば財務省に打診をすべきだったのではないかと話している。

今後も中央政府は、様々な権限を地方行政に委譲していく考えであるが、このストライキによって、教育問題と財政問題に関しては、早くも政府側の準備不足を露呈した形となった。

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