MTUC、9万人離職を予測

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年10月

マレーシア労働組合会議(MTUC)のランパック委員長は7月9日、アメリカ経済の回復がなければ今年の離職者は9万人に達するだろうとの見通しを示した。

MTUCの記録によると、今年の月毎の離職者数は5000~1万人で、とくに電気・電子産業で目立っている。マレーシアの全輸出の6割は電気・電子製品で占められていることから、ランパック委員長は、電子関連の需要が増加に転じ、主要な輸出先であるアメリカと日本の景気が回復しなければ、全産業で合わせて9万人の離職者がでるだろうと予測している。

これに対しフォン人的資源相は、同省に届けられた報告による限り、アメリカ経済減速の影響は現在小康状態にあり、第3ないし第4四半期までにはアメリカ経済は回復するだろうと楽観的である。国内の電子部門も第4四半期までには上向きはじめ、解雇への影響も小さいとしている。

しかしマレーシア経済研究所(MIER)はMTUCの見方に近く、電子・電気部門での大量解雇を予測している。モハマド・アリフ所長は、これまでに操業停止に追い込まれた企業を見る限り、同部門の解雇問題はかなり深刻なものになるとしている。アメリカ経済の見通しについても同所長は、本年末あるいは来年初めまでには回復しそうにないと厳しい見方をしており、フォン人的資源相とは対照的である。電気・電子部門の回復についても来年の第3ないし第4四半期まで望めないとしている。

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