7月からPARE(雇用復帰援助制度)開始

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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政界と労働界を巻き込んだ長く厳しい闘いの原因となった雇用復帰援助制度(PARE)が7月1日から実施された。新失業保険協約(2001年1月1日-2003年12月31日)は経営側と3つの労働団体(民主労働同盟(CFDT)、キリスト教労働者同盟(CFTC)、管理職総同盟(CGC))によって調印され、政府からもようやく承認を受けることができた。それにともない、2001年1月1日以降に補償を受ける場合、求職者は過去18カ月間に4カ月の労働期間があることを証明しなければならなくなった。旧協約では過去12カ月に4カ月と定められていたので、基準期間はこれよりも緩やかになった。また、労働者と使用者はこの日付以降、全国商工業雇用協会(UNEDIC)へ支払う保険料が引き下げられた。しかし、新協約の目玉とも言うべきPAREが開始されてこそ、改革の精神が本格的に実施に移されたことになる。

7月1日以降、UNEDICの補償を受ける失業者は新規コースに参加することになる。典型的な2つのモデルケースが示されている。新規求職者の場合はPARE制度がそのまま適用されるが、この日付以前にUNEDICに登録されている者には、PARE制度とそれに付随する個別的就職支援措置(PAP)を選択する権利が与えられる。選択するには、UNEDICで受け取れる書式を提出するだけでよい。PAREを選択した場合は失業手当の逓減がなくなるが、選択しなければ手当は逓減し続ける。

失業者はすぐにPAREに署名しなくてもよいが、手当の申請には制度への参加を約束する必要がある。登録した翌月に、自分の能力、資格に対応する仕事の種類、必要な職業訓練などについて、現状を分析するために、国立職業紹介所(ANPE)の担当者との最初の面接が提案される。政府とANPEによれば、失業者がPAREを受け入れて、PAPに署名しない場合でも、逓減しない手当を受け取り続けられるという。しかし、フランス企業運動(MEDEF)は、PAREとPAPが不可分の義務だと考えている。

6カ月経過しても失業者が仕事を見つけられない場合、必要ならば能力の徹底的な再評価をして、PAPの見直しを行う。さらに6カ月経過したら、その失業者は、正規の賃金率で賃金が支払われる仕事であって、自らの能力と対応している場合、地理的に通勤可能ならば、その仕事の提案に応じなければならない。ANPEは1月あたり30万件のPAREを期待している。この措置のために、UNEDICはANPEが3650人を採用する資金を提供することを約束した。そのうちの1000人はすでに研修中である。

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