貧困者は増加傾向
労働社会福祉省によると、2001年の公共事業への求人登録者は5万9159人で、前年の6万9095人に比べ大幅に減少している。この減少を同省は、新規の失業者が公的な職業安定所に頼らずに就職活動をしているか、または農業や自営業に転換する労働者が増加していることを表しているとみている。しかしながら、労働問題の専門家は輸出部門の成長減退が家計支出と世帯所得の減少に繋がる恐れがあるとして、雇用状況を楽観視できないとしている。
貧困者層の増加
一方、タイの貧困者数は増大している傾向が見られる。
タイの統計では、月額所得に応じて「貧困線」を定義し、貧困者を推定している。1996年は月額所得737バーツを貧困線とし、貧困線以下の人口は684万人(11.4%)であったが、1999年になると月額所得886バーツを貧困線として986万人、約15.9%が貧困状態にあると推計され、3年で約300万人、4ポイントの増加となった。
地方別では、国家経済社会開発局(NESDB)のデータによると、人口の30.8%が貧困線以下である東北部が最も貧困率が高く、次いで南部の15.7%、北部の10.6%、バンコク及び東部は0.7%にとどまっている。そして、貧困世帯では消費の6割が食費に当てられている。その意味でここ数年、食料品価格が大きく変動していないことは貧困世帯にとって幸いであったと見られる。一方、交通費やエネルギー、サービス部門の出費は増加している。
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