欧州委員会、企業再編の際の労働者保護に関するパッケージを公表

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年8月

欧州委員会は、大手企業による事業所閉鎖や企業再編が重大な社会的懸念を引き起こしているとして、企業再編の際の労働者保護に焦点を当てたパッケージを公表した。

欧州委員会が企業再編に関しこうした包括的なパッケージを示したのは初めてのことである。パッケージでは、特に企業再編の際の労働者に対する事前通知・協議に関する法的規制のあり方や今後の政策方針等が明らかにされている。

まず欧州委員会は、パッケージの中で欧州理事会による早期採択を促すために、労働者に対する情報開示・協議に関する一般的な枠組提案を早急に作成する方針を明らかにするとともに、欧州会社法の早期採択を強く求めた。

さらに、企業再編に関する企業の法的義務等を広く知らせるために、チェック・リストが作成された。チェック・リストには、労働者との協議に関し使用者に課されている欧州レベルの法的義務(関係指令)や、企業再編を行うにあたって企業が採るべき望ましい方法等が簡潔に示されている。

そして欧州委員会は、今後の方針として、企業の合併・買収に関する競争法と合併・買収がもたらす社会的影響の相互連関の検討、欧州労使協議会指令の見直しを計画している。加えて、欧州社会基金の使途や企業の社会的責任に関するコミュニケーション等も検討課題として挙げられている。

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