経済成長予測、3.5~5.5%に下方修正
アメリカ経済の低迷とエレクトロニクス産業の世界的な停滞により、シンガポールは予想以上の景気減速傾向にある。こうした事態に加え国内の経済成長がすでに行き詰まりを見せていることから、政府は2001年4月11日、2001年の経済成長予測を当初の5~7%から3.5~5.5%に下方修正した。
通産省は2001年第1四半期の推定成長率をわずか4.6%と発表して、市場関係者を驚かせた。これは2000年下半期を50%以上も下回る数字である。たとえば製造業の第1四半期成長率はわずか2.5%で、13.7%の成長を記録した前四半期からの大きな落ち込みである。同省によれば、エレクトロニクス産業が世界的に急激に落ち込んだために製造業部門は著しい減速を記録した。
アメリカ経済の予想を下回る成長で周辺アジア地域も打撃を受け、その結果シンガポールから同地域への輸出は減少すると見られる。シンガポールのエレクトロニクス産業は、製造業生産高の半分近くを占めるだけに、世界的なエレクトロニクス産業の沈滞は、成長の推進役である製造業部門に影響を与えずにはおかない。シンガポール国際商工会議所のグラハム・ハイワード常任理事は、第2・第3四半期においては製造業および輸出部門に好転の兆しはほとんどないと見ている。
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