米国のH1Bピザ労働者が不況の中インドへの帰国を検討

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年7月

ワイアクシス社(Y-Axis.com)のグザビール オースチン社長によると、H1Bビザで米国で働くIT産業の技術者が、帰国を検討し始めている。これは、米国のIT産業の景気の陰りからインド人IT技術者の賃金が低下し、雇用も急激に減少している理由による。

オースチン社長は、例えば、ジャバソフトのプログラマーの時給は、以前は60ドルから70ドルだったのが現在25ドルにまで低下しており、ソフト産業のコンサルタント会社は、この時給では、経営が成り立たないと説明しているという。

キャリアモザイク社(CareerMosaicIndia.com)のT.ムラリダラン事業本部長によると、臨時の仕事は、単価が非常に低く、このため賃金も押えざるえない。シスコ、ビザ、オラクルのような企業は、雇用を押さえ、新規の雇用契約の賃金は抑制しているという。

ハイドラバードのソフトウェアー輸出協会のJ.A.チョウダリー氏によると、景気の陰りは、特にコンサルタント会社に影響を及ぼし、雇用が減少している。しかし、インドの企業の海外事業は、まだ利益が上がっていると述べた。

米国の労働法では、H1Bビザの労働者を解雇した場合に関する労働法の適用が未整備。このためH1Bビザで米国で働く多くの労働者は失業したときのことを憂慮している。

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