助産婦が労働裁判所において再び敗訴

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年6月

男女機会均等オンブズマン(JAMO)は、エレブル県の2人の助産婦の給与を男性の医療技術者と同等にすべきであると再び労働裁判所に訴えた。男性医療技術者の現在の給与は当該助産婦よりも1ヵ月あたり数千クローネ多い。数年前、同じ助産婦らによる同様の裁判が行われ、多くの注目を集めたが、前回も彼女らの敗訴であった。この前回の敗訴の後、AMOは欧州裁判所に提訴し、欧州裁判所は、助産婦の時間外手当や交代勤務手当を含めずに、助産婦と男性医療技術者の基本給同士を比較すべきだと判示し、JAMO側が勝訴した。その後、訴訟は労働裁判所に差し戻されていた。(本誌2000年7月号参照)。

労働裁判所は4対3の過半数(3名の女性が過半数票4名に反対した)で、給与の相違は年齢、経験、労働市場の需給関係、および労働協約によるもので、JAMOと2人の助産婦が主張するような性差別の結果ではないという判断を下しJAMOは再び敗訴した。

しかしながらJAMOは、全く異なった2種類の職業が何らかの意味で同等であるかどうか比較する際に、職務評価自体を用いることができるという原則が受け入れられた可能性があるという点で、この裁判において部分的な勝利が得られたと主張している。JAMOは、欧州裁判所に訴 えた際にも訴訟の根拠として職務評価制度を研究していたが、2つの異なる職種に適用できる職務評価制度を見出したわけではない。労働裁判所は、前回、かなり性質の異なる2つの職種の 賃金の相違が、妥当かどうか判断を下していなかったが、今回は、上述のように年齢などの要因で賃金の相違を説明可能と判断した。

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