政府、公務員のベースアップを凍結を計画

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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ボンコディン予算行政管理長官は、議会が2001年の公務員賃金を5%のベースアップする法案を継続審議にしたことを歓迎し、この問題はさらに十分審議をする必要があると強調した。

ボンコディン予算行政管理長官は、アロヨ政権は、財政赤字の解消を目指した行政改革計画に着手しており、具体的には財政赤字を1450億ペソ以下、またはGDPの3.8%以下に抑えることを目標にしていると述べた。ボンコディン予算行政管理長官は、公務員にベースアップを実施すれば、政府の財政赤字削減に関する関心は薄れると力説し、政府は財政赤字を増税なしに達成することを目標としていることを再確認したと発表した。

さらに、ボンコディン長官は、政府はベースアップ凍結の他に、全体で110万人の公務員を削減する法律を強化すると発表し、2001年の後半には余剰な公務員を解雇する可能性を否定しなかった。政府は、2000年までは、退職公務員により空席になった地位は埋めずに解雇する可能性を避ける自然減少的方針を取っていた。

この公務員に対する賃上げ凍結、人員削減方針は、公務員労組に大きな影響を与えた。

公務員労組の「公務員労働者への認識と促進(COURAGE)」は、即座に政府の財政赤字縮小を目的としたこの決定に反対し、アロヨ大統領が公務員の賃上げに関する約束を反故にしたことに関し全国的な抗議行動を実施すると警告した。COURAGEは、全公務員に対する団体契約の中で月3500ペソの増額を要求していた。もしCOURAGEの要求が認められると、政府は、130万人の公務員に対し540億ペソの資金が必要になる。

一方、下院は、公務員の5%のベースアップを実施するために2001年補正予算を考慮している。上院財政委員会議長のジョン・オスメナ上院議員も、議会は、アロヨ政権によるベースアップ凍結計画にもかかわらず、2001年中に5%のベースアップを承認すると述べ、2001年1月の年間インフレ率は6.9%に達し、生活必需品や各種サービス価格の上昇により、公務員のベースアップを凍結してはならないと声明を発表した。

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