日産も英で生産を継続

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年4月

日産自動車は2001年1月25日、小型乗用車マイクラの次期モデルを英国のサンダーラ ンド工場で生産すると発表した。2億3000万ポンド(1ポンド=176.3円)を新たに投資し、生産規模を現行の年間33万台から2003~2004年には50万台に引き上げる。これに伴い500人を新規雇用する。ユーロ安・ポンド高で英国内での生産を縮小・中止する動きが出ていたなか、トヨタ自動車に続いて(本誌前号参照)、今回、日産も生産継続を決定したことで、さらに追随する動きが出る可能性がある。

日産は一時、ユーロ圏外では利益を上げることは事実上不可能とし、新型マイクラの生 産をサンダーランド工場(イングランド北東部)から資本提携先であるルノーのフランス工場(パリ北西部)へ移管することも検討していた。しかし欧州委員会が2001年1月中旬に、新型マイクラを英国で生産することを条件に英国政府が4000万ポンドの補助金を拠出することを認可したため、日産は英国内での生産継続を決定した。

サンダーランド工場は、1984年に設立され、これまでに15億ポンドを投資しており、 生産性は欧州トップクラス。日産のカルロス・ゴーン社長は発表当日の朝、ロンドンの首相官邸でブレア首相と会い、生産継続の方針を報告。記者会見では「サンダーランド工場は生産性が極めて高く、4000万ポンドの補助金も競争力を高めてくれる」と述べた。

英国の自動車産業は、ユーロ安・ポンド高で価格競争力が低下しており、米フォードモ ーターや米ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のボクソールが2000年に相次ぎ自動車の生産打ち切りを決めたが、今年に入ってトヨタ自動車が、稼働率引き下げで生産コストを下げ、 英工場の存続を図る方針を発表、これに追随する動きが期待されていた。

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