フィリピンの法律チーム、海外労働者に法的援助

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年3月

フィリピンの様々な政府部門の官僚と弁護士からなるチームは、代表団を中東に送り、現地のフィリピン人労働者に対する法的保護の強化と使用者側との協力を深めた。

この法律代表団は、フィリピン法律家協会(IBP)の移民労働者に対する海外問題法的援助部門(DFA―OLAMWA)とプレース社の尽力によってもたらされ、「Paracletos」と名称されたプロジェクトの関係者である。この官民協力の事業は、DFA―OLAMWA、IBP、海外労働者福祉庁(OWWA)間の覚書協定のもと実施された。

今回のParacletosのチームは、DFA―OLAMWAのベンジャミン・ドミンゴ氏とチェリー・オラリア氏、IBP議長セラフィン・リベラ氏、合法的職業紹介業協会バンビ・メンドーサ氏、プレース社のエドガー・マヨール氏等により構成された。

ドミンゴ氏は、チームは海外労働者の権利の保護を委託され、困窮している海外労働者を援助したと述べ、海外労働者の多くが法的支援を要求しており、特に家族、土地問題、旅券の問題が多かったことを明らかにした。

このグループは、中東に行くのに先立ち、4日間香港において法的援助の必要な170人のフィリピン人海外労働者のために活動し成功をおさめた。

なお、最近の雇用労働省(DOLE)は、イスラエルとパレスチナの衝突により中東への海外労働者派遣計画を見直した。中東の雇用労働省出向の大使館員は、両国の衝突を調査していたが、ラグエスマ雇用労働大臣は、派遣計画は、両国間の戦争が海外労働者に危険をもたらすほどに悪化した場合は自制すべきだと発表した。

その一方で、ラグエスマ大臣は、国際移民組織(IOM)のムラソン・マッキンレイ総裁との会談の後、雇用労働省は1990年から実施していた湾岸戦争で影響を受けた多数のフィリピン人海外労働者の本国送還促進計画を、当事国の政情により見直すと語った。

中東には、約100万人の海外労働者が滞在し、主な滞在先はバーレーン、ヨルダン、クゥエート、レバノン、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦で、このうち、サウジアラビアが最も多い。

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