フランスの外国人人口は数年前から横這い

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2001年3月

フランスの外国人人口は依然として安定している。「フランスにおける外国人の滞在資格」に関する第2報告書は、1999年の正規移民の正確な実態を明らかにした。この年、320万9103人の外国人が滞在資格もしくは滞在許可を受けていた。1998年と比較すると0.3%の増加である。数字は数年前から横這いであり、流入数(誕生および新規移民)は国籍の取得と死亡によって相殺されている。したがって、1998年にすでに観察されていた外国人人口の安定化傾向が確認されているように見える。驚かされるのは、1998年の数字の再評価である。

報告書は、1998年に関する数字は以前に発表されたものと「若干異なる」と簡潔に述べている。前年の報告書は1998年に各県庁によって公布された最初の滞在資格数を15万5000人と報告していたが、新文書は19万9964人と評価している。したがって、内務省の評価は約4万5000人も誤っていたことになる。この計算の違いは、その間に帰化した者、難民数の過少評価(1998年には2600人と評価されていたが、子供を数えて4535人となった)、「忘れられていた」1万5000人の学生を外国人として加えたことによる。

高等審議会によって明らかにされたこの計算の違いが2000年1月の報告書と国立統計経済研究所(INSEE)の最初の推計へ組み込まれた後で、内務省は計算方法を変更した。新しい統計プログラムが県庁で実施された。すなわち、外国人担当課の登録簿へ登録された滞在資格を数える代わりに、内務省は各書類を確認させた。そして、誤りを訂正した。訂正された数字がINSEEの最新の一般調査の結果に加えられる。たとえば、流入およびシュベーヌマン法によって認められた滞在の正規化に対応する最初の滞在資格の交付数は18万1203件に達する。1998年と比較すると9.4%の減少である。内務省はこの減少の理由を、1997年6月の通達によって実施された正規化措置が終了したためだと説明している。

交付理由には、移民に関してシュベーヌマン法で認められた主な流入方法が取り上げられている。第1には、家族呼び寄せで入国した外国人の子供(大半は1年以上の資格を取得)である。16~24歳がこの調査対象資格の40%を占めている。1999年には、1部の資格の交付が増大した。たとえば、フランス人の配偶者(+29%)、フランス人の子供の両親(+33%)、実際のプライベートな生活および家族生活を証明できる外国人(+172%)、そして病人(465人から1400人へ)へ恩恵を与える資格である。

国籍の傾向は1998年に確認された傾向を引き継いでいる。国籍別に見ると、欧州連合出身者は外国人人口の37.8%を占めているが、1.4%減少した。また、マグレブ(チュニジア、アルジェリア、モロッコなどアフリカ西部諸地域の総称)は35.7%(-0.1%)、元フランス統治下のアフリカが6%、アジアが5%となっている。増加している国籍は、ドイツ(+1%)、英国(+1%)、モロッコ(+0.5%)、トルコ(+2%)、コンゴ(+11%)である。

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